「・・・」
「どうしたんだよ?」
「まだ、シカマルと一緒にいたい」
「しょーがねーな」
お前はしっかりオレの手を握って言った。
デートの帰りはいつもこんな会話になる。
オレもお前から離れられなくて、いつも立ち止まる。
・・・でも男のオレがそんなこと言えねえだろ?
オレ達は手を繋いで、里をもう一回りする。
「・・・まだシカマルといたい」
明日も会えるのに、お前はいつも一生のお別れのような顔をする。
「もう暗くなってきたし、家族が心配するだろ?」
「・・・うん」
「明日も会うんだし」
そこでお前はやっと笑う。
「そうなんだよね」
やっとオレ達は帰る決心をする。
「シカマル、また明日ね」
「ああ」
オレ達はそれぞれ自分の家に向かって歩き始めた。
後ろからオレに走り寄る音がする。
振り向くと、お前がオレを抱きしめてきた。
「大好き!」
それだけ言ってオレを見上げると、お前はすぐオレから離れて走り去った。
ずるいだろ?
離れたくない気持ち、
オレの方が大きくなったじゃねえか。