読みもの

□幸せってのは
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今週から次の休みまでの一週間、鬼のように詰まっているスケジュールを思い、シカマルはげんなりした。

午前午後夜間共に、Aランク任務からCランク任務までびっしり。

ったく、どんな嫌がらせだよ。

「あいつは新人中忍だ。たっぷりこき使ってやれ」

…と、五代目が豪快に笑ったのであろうことは、大方予想が付いていたが。





…さて、と。

時間だ。

週始めの朝一番、面倒なことは何も考えずにやりきってしまうに限る。



目ぇ瞑ってる間に一週間終わっててくんねぇかな…。



チラリとそんな儚い希望が頭を過るが、それは、後になって思い返して初めて味わえる感慨であることは百も承知していた。


目の前にあることから片付けるしかねぇか。


シカマルは、最低限の物事を行うための最低限のやる気をなけなしの心から引っ張り出した。











「おぉぉぉおい!シカマルー!!」

…が、そのなけなしのやる気は、早くも風前の灯となっていた。





集合時刻、午前7時。

集合場所で待機していたシカマルをサイレンのようなけたたましい叫び声が襲う。

外界の刺激に耐え得る免疫を付けるため、いくつもの繊細な手順を踏んで準備処理を行っていた脳は、

内部に気を回している一番脆いタイミングで攻撃を受け、たまらず悲鳴を上げた。

「ふー、ギリギリセーフだってばよ!」

ナルトが大げさな動作で息を吐く。

急いで来たのは本当のようで、額には少し汗がにじんでいた。

しかし、シカマルの意識の向かう先はそんなところではない。

「…ナルト、もー少し静かに喋れ。頭に響くだろーが。ったく、朝からテンションのたけーやつだな」

「そーゆうシカマルはテンション低すぎだってばよ!ノリ悪ぃーぞ!」

「うるせー。今週は激務なんだ。しょっぱなから無駄な体力使えるかよ」

てか、この口論がめんどくせー、とシカマルは頭を掻く。

「ほら、さっさと済ましちまうぞ」

シカマルの言葉にナルトはオウッと気合いを入れる。





「…んで、任務の内容、何だっけ?」






シカマルはため息をつくのも面倒な様子で、瞼をグッタリと下げた。
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