僕らの姫
□カノジョの事情(1)
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頭の遠くで音がする。
トントントントン…
一定のリズムで刻まれる音。
聞き覚えのある…
それになんだか
いいにおい…
徐々に覚めてく意識の中で、その音とにおいは次第に大きく強くなっていく。
……〜♪〜♪♪〜
…だれ?
……歌…
どこだろ、ここ…
私…
きのう……
高志に会いにマンションまで行ったとこまでは覚えてる。
やっとたどり着いたのに、建物の玄関は開かないし、だれも高志を知らないし…
困ってマンションの前に座り込んだんだよね。
待っていれば、高志が帰ってくるかも知れないから。
………
……………
その後は…?