青の祓魔師2

□いつかの為
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【藤メフィ(?)+夢主+雪男】



妙に気恥ずかしいなと思った。しかし雪男はそれが何故か分からない。養父がつれてきた聖十字学園の理事長室で、彼が理事長に雪男を祓魔塾に入塾させるように言っている。
そう、そういう状況のはずなのだ。ハズなのだが……

(なんでこんなにいたたまれないのかな?)

多分二人の密着具合が問題なのだろうと思った。なぜ男二人で密着しているのかと問いただしたい。
ソファに藤本が腰を下ろしている後ろから、メフィストが覆い被さるように抱きついている。メフィストが藤本の耳元で何かを喋り、それに藤本が真剣な顔で答える。
そう、真剣なのだ。
真剣なのだからこんなこと考えるのは可笑しいと、雪男は言い聞かせていた。

「……はぁ……」

そう思っていると、後ろからため息が聞こえた。それは先ほど副理事長だと名乗った時乃だった。
その手には紅茶ののったお盆がある。カップをそれぞれの前に置くと時乃は笑顔を浮かべてメフィストの後ろに立った。

「体勢を考えてください」
「っ〜?!」
「てぇ〜?!」

お盆で力一杯二人の頭をどついた。三人はハレバレとした笑顔の裏に般若を見た。だがそこでようやく二人は自分たちの体勢が妙だったことに気がついた。
顔を見合わせ、顔を赤らめる。

「……離れれば?」

どこまでも冷々とした時乃の言葉に、無言でメフィストは立ち上がった。そしていつもの理事長席に戻る。

「……さて、入塾希望でしたね」

一切先ほどのことは触れずメフィストは話始めた。雪男は無言で藤本を見るが、こちらは気まずそうに視線をそらしていた。
その代わり、時乃が苦笑しながら雪男に笑いかける。そのさい藤本の頭を叩いたのは見ないふりをすることにした。







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