炎の使い手冒険記

□終章:姉妹訣別
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将軍曰く

「こっちに魔術師来なかった?」

……。


【ニクス嬢は縮地の法的な、短時間で長距離を駆ける魔術を体得していて将軍の追撃を余裕で振り切っていたのだ!スゲー!】

と、いつものようにニクス嬢を贔屓にしたいし将軍を貶めることもなるべく言いたくないのだが…。


これでは将軍が

……。

としか考えようが無い。


レイナ姫が賊を退治した後、爆発音を聞き、自分の城が燃えているのを目撃していたそうなので…。

その後でフニクラ様とラブラブ中のニクス嬢と遭遇。

そこでレイナ姫は
「城から火の手があがったのが見えて、ここまで来た」

と証言している。


この一言がなければ、ニクス嬢が超遠くまで撤退していて、そこでレイナ姫と一戦交えたということにできたのだが…。


これらの状況から察するに、まず、レイナ姫が賊を退治した場所は城からそう遠くない。

城は東京タワーじゃないんだから、そう遠くからは見えないだろう。


音も、あまり遠いと聞こえないだろう。


その、あまり遠くない場所から
「引き返して」
ニクス嬢と遭遇したのだから、どう考えてもニクス嬢がフニクラ様と愛し合い、レイナ姫と交戦した地点は…

城から結構近い場所としか考えられない。


それに、将軍一人徒歩で追撃に出た様子。

…馬は?部下は?


いや、もう深くは語るまい。

あくまでこのシーンは姉妹の訣別を描きたかったシーンであり、軍事とか戦術とか索敵とか追撃とかの考察なんて、そういうのは今は要らないのだ。

おかげで愛しのニクス嬢も無事撤退できたワケだし、感謝、感謝。

さて、本題。

レイナ姫はニクス嬢のことを

「大いなる力を使いあぐねる少女」

と称したが、やはり君は天然少女。

これはレイナ姫ご自身にも当てはまるだろう。


「自分探しの旅」
なんてニ〇トやフ〇ーターじゃあるまいし、君はこの地を治める貴族の後継げるんだから。


別に為政者は腕っぷし要らないから。

それは姉貴と妹に任せておけばOK。


武者修行よりも帝王学か何か勉強して、後継いで、良い政治をして、ありし日のニクス嬢のような恵まれない人々を救済してください。


将軍も何気に今の時点ではそういうのわかってる人なので、それを望んでいるのだろう。

しかしぶきっちょな将軍に、天然妹を止める術もなく…姉妹は訣別。


めでたし…なのかどうかはわからないが、この後時は流れ、レイナ姫はカトレア母ちゃんと会ったり「クイーンズブレイドに参加する」ということになって、この絵本は

糸冬 了
 

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