☆Novel

□そしてきっとあなたの笑顔を
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「部長見てください!今日の先輩もすごっく可愛いですよ♪」

「ふふっ、ほんとうだね」



先輩を見て微笑む横顔がとてもキレイで

本当にキレイで

僕は目を離すことなんてできなかった




−そしてきっとあなたの笑顔を−



静かに雨の降る昼休み。
いつもは教室で不知火会長と昼食をとっているはずなのに、
今日はなぜかその姿が見あたらない。
試合の申込書を渡しに来たんだけど。
・・・っていうのは口実で、ただ部長の顔を見にきてだけなんだけどね。


「どこいったのかなぁ・・・」


3年生の教室と職員室を覗いてみたけれど、やはりどこにもいなかった。
先輩の分も預かってるから早めに出したかったんだけど、いないなら部活のときでいいか。
…今日こそ部長と2人っきりになれると思ってたのに。

僕はたまに部長の顔を見に行く。だが、その度に必ずと言っていいほど宮地先輩もいる。
(・・・ぜったい宮地先輩も部長のこと狙ってるな)
しかも僕が先輩に触れようとすると、ものすごい勢いで睨み付けてくる。

はぁ〜なんだか会えない気がしてきた。
まだ時間もあるし屋上庭園で時間つぶそうかな。
晴れてる日のそこはたくさんの人でにぎわっている。だけど今日は雨。
誰もいないだろうと思って行ってみたら、見覚えのある空色が目に入った。


「・・・部長?」


近づいてみると疑問は確信に変わった。
建物に寄りかかって座ってるのは、間違いなく部長。


「部長!申込書もって・・・ってもしかして寝てます?」


その場にしゃがみ込んで顔をのぞき込んでみると、可愛い寝息が聞える。
うわっ部長の寝顔見ちゃったよ!
宮地先輩だってまだ見たことないはず…!!
顔が赤くなるのを感じながらもそっと手を伸ばす。


「さらさらだぁ・・・」


いつもは眺めているだけのふわりとした髪。
触れてみると、思っていた以上に柔らかかった。
こんなに近くで部長の顔を見るのは初めてで、もっとずっと見ていたかった。

 
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