☆Other Novel
□あまあけ
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山田太郎:―じゃあ、そろそろ落ちますね
甘楽:はーいv
甘楽:あ。明日は傘をお忘れなく♪
山田太郎:え?晴れるんじゃないんですか?
甘楽:ラッキーアイテムだそうですよ
山田太郎:へぇー、教えてくれてありがとうごさいます。では、おやすみなさい
甘楽:おやすみなさ〜い☆
〜あまあけ〜
「さっきまで晴れてたのに…」
天気予報は外れ、窓から見える景色は暗い。
この雨では、傘をさしてもあまり役に立たないかもしれない。
予想外の展開には胸の高鳴りを覚える。だけど、
「雨ってあんまり好きじゃないなぁ」
濡れるのが嫌だというのもあるけど、外に出るのが億劫になるから。
パソコンの中の情報は不確かなものがほとんど。
この眼で確かめたいことが山程ある。
昇降口でカバンの中を探ると、指に当たったのは折りたたみ傘。
ラッキーアイテムとか言ってたけど、何かの占いにでも書いてあったのだろうか。
まぁ、あの人の日常なんて僕には関係のないことだけれど。
さっきまでの激しさが少し和らぎ、空も明るくなってきた。
きっと通り雨だったのだろう。
「みーかーどーっ!!」
ドンッ
「うわっ!」
唐突に声が聞こえたと思った瞬間、後ろからの衝撃。
危うく転びそうになったけど、何とか持ちこたえることに成功した。
「って、ま、正臣?」