キョン
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「図書室って放課後も開いてるんだな…誰もいないけど」
「勝手に借りても大丈夫かな?」
行儀良く並ぶ本棚を縫う様に歩き目的の書物を探す***。
適当に目に飛び込んだライトノベルに手を掛ける。
文章に目を通すわけでもなく、パラパラとめくり挿絵を見る。
…何やってんだ、俺達。
大量の不気味な本を抱えて戻りハルヒに贈呈して何がある?
奴は何を企んでいるんだろう。
「都市伝説の創作か…?
いやいや、そんなわけない」
持っていた本を閉じて元居た位置に戻し、再び思考を巡らす。
何か、嫌な予感がするんだ。
「キョンくーん、あった!」
「オカルト的…怪奇的現象?」
ガタガタと図書室中の本棚が震え出し、一冊、また一冊と本が床へと落下していく。
「え…なに…キョンくん…?」
「***、俺の傍に来い!」
「キョンくん何処、やっ!?」
本棚がバタバタとドミノの様に倒れていく。
本棚の列から抜け出して***を見付けに走る。
見付けた頃にはもう***の目の前に聳えていた本棚は限界まで傾いていて、無我夢中で自分の体を本棚と***の間に捩込もうと飛び込んだ。