キョン

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「………ニュース?」

「うん、今朝の!見た?」

「今朝は見てないけど…
なに、何かあったの?」



昨日山中で発見された遺体が、暫く学校を欠席していた隣のクラスの男子だった、とか。

死亡推定時刻がキョンくんにメールのやり取りについて問い質された日の深夜から翌朝にかけてらしい、とか。


視界が、ぐにゃりと歪む。



「怖いよねー
学生狙ってるのかな…***?」

「その…男子の名前って、」

「おはよう」


びくんとその声に体が跳ねる。
友達は彼の姿を見ると、どうせ退けって言うんでしょ?と渋々私の前席を空ける。

…お願いだから、行かないで、ここにいて。


「ああ、ありがとよ」

「待っ、…」

「…俺が怖いか」


少し困った様な、穏やかな笑みを浮かべるキョンくん。
怖くて目を合わせられないでいると、声が降ってくる。


「あいつは俺の大事な***に迷惑を掛けたんだ
だから、死んで当然なんだよ」

「私はこんなの、望んでない」

「俺が望んからだ
***は俺だけのことを考えて、俺だけに愛されればいい
俺を想うこと以外は何もするな
裏切ったら…解る、よな?」


キョンくんの手が首を捕らえようとした時に始業の鐘が鳴る。
何もなかったかの様に立ち上がると、自分の席へ着いて涼宮さんの話に耳を傾けていた。

 
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