shelved stories

□2012-2013
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■膨らみすぎたそうめんの話(3)

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「何だか思ったよりも順調にコトが運びそうですね」
「うん、アタシが一番驚いてる」

 さっきの受付の人にもらったバーベキュー場のパンフレットと夏限定流しそうめんプランのチラシを眺めて取り出すのは携帯電話。さっそくリベンジマッチを取り付けるのだ。こういうのは早い方がいい。

「もしもし高ピー先輩、今からプレゼンしに行っていいですか!」
「えっ、果林先輩今行くんですか!?」
『来るならさっさと来い』
「10分で行きます!」

 来たときと同じように、道交法がナンボの物だという2人乗り。ついうっかり警察がいないことを願いつつ大学方面へと戻る。サークル室の扉を開ければ、いよいよ戦いが始まる。

「たのもー!」
「高崎先輩お疲れさまです」
「――ったく、高木まで巻き込みやがったのか」
「それは成り行きです。今回こそはぎゃふんと言わせますよ!」

 さっきのパンフとチラシをどどんと出して、プレゼンリベンジマッチ。今回という今回は負けられない。

「で、そうめん台は結局どうすんだ?」
「1日2000円でレンタル出来ます」
「人数がどんだけ増えても2000円か」
「はい」
「ふーん、悪かねぇな。で、場所は?」
「大学からだと原付で10分かからないくらいです。その気になれば徒歩でも全然行けます。30分もあれば余裕です」
「徒歩圏内か。でもそうなったら荷物の運搬はどうするんだ?」
「えーっと……誰か車の人がいればなーっていう淡い期待をしつつ、最悪担ぎます。所詮そうめんとスイカですから。お酒は各自なんで」

 さっきよりは高ピー先輩の反応はいいように思えた。パンフとチラシに目を通しながら、実際の計画を一緒になって詰めて。ここがああだ、どうだと起こりうる問題をひとつずつ潰していって。

「そうめんを茹でるための道具は現地でレンタル出来ますし、お箸や器も100均とか業務用スーパーで買い出しすれば問題ないです」
「ソフトドリンクも各自か?」
「需要がありそうな物は買い出しですね」
「ま、現地でリサーチすんのも早かったし、参加費500円から1000円程度で詰めてみりゃいいだろ。日程は夏合宿の都合もあるだろうし、シーズンだからそう簡単にはいかねぇだろうが、やってみろ」
「ありがとうございます!」
「果林、一般人が1回の食事で消費するそうめんの量を考えて買い出ししろよ」


強制終了


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エコメモSS NO.782「JUMP UP!欲求ピラミッド」というお話を書く前はこんな話でした。
70000打のリクエストで七八さんからいただいた「流しそうめんで果林無双なお話」というのをやろうとしたらこんなに長く……フリリクは基本エコメモSSの規模でやるつもりなのにこりゃいかんとやり直してこうなりました。

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