同い年の親子シリーズ

□サイと両親の休日
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 二日後の朝。
 朝食を終えてもなお台所に立って調理をしているナルトに、サイは不思議そうに訊ねた。
「母上、何をしているのですか」
 首を傾げながら見てくるサイに、ナルトは楽しげな笑みを浮かべると、頭を撫でながら答える。
「お弁当を作ってるんだよ。今日はシカも俺も休みが取れたんだ。だから、三人で出かけようと思って」
 三人でお出かけ、という話を聞いたサイは、きょとんとした表情を見せた後、ぱっとナルトの傍を離れ応接間へと駆け込んだ。
 お茶を飲みながら今日中に仕上げなければならない書類を片付けていたシカマルは、駆け込んできたサイを何事かと見た瞬間、思わずくすりと笑っていた。
「サイ? どうしたんだ?」
 突然走って行ったサイを心配したナルトが応接間に来ると、そこには笑っているシカマルと背を向けて俯いているサイの姿。
どうしたんだ、とシカマルを見れば、シカマルは顎でサイを見てみろ、と示す。
「サイ?」
 ナルトがサイの前まできて顔を覗きこむと、サイは観念したように顔を上げてナルトを見る。
 その顔は見たこともないほど真っ赤に染まり、口元が僅かに緩んでいて。
 嬉しかったのだ、とようやく察することが出来たナルトは感情を見せてくれたサイをぎゅっと抱き締めて額に口付けていた。
「その顔を見れただけでも計画を立てたかいがあったな。サイ、シカの書類も俺のお弁当作りももうすぐ終わるから、出かける用意をしておいで」
「はい、母上。ありがとうございます」
 サイは準備をするべくパタパタと自室にかけていく。
その音すらも弾んでいるように聞こえて、ナルトとシカマルは微笑ましげに笑った。

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