同い年の親子シリーズ

□サイと両親の休日
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「シカ、相談があるんだ」
 任務が終わり、一緒にベッドに入って眠りにつこうとしていた深夜。
不意にナルトがシカマルにそう切り出した。
 シカマルは突然の言葉に不思議そうにナルトを見つめたが、すぐに柔らかい笑みを浮かべてナルトを抱き締めながら顔を覗く。
「なんだよ、改まって」
 水臭い、とばかりに優しい声で話を促すシカマルに後押しされて、ナルトは本題を切り出した。
「明日……いや、明後日以降なるべく早いうちにさ、俺とシカと一緒に一日休み取れないかな」
「休み? そりゃ、調整すれば何とかなるとは思うが。どうしたんだ、いきなり」
 休みが欲しい、なんて言葉をナルトが口に出すのは初めてと言っても過言ではなく。
逆に休みを取ってくれ、と三代目に言われないと休まない彼をいつも心配していたシカマルは、いいことだ、と一瞬喜んだ。
 だが、ナルトがただ休みたいというわけがないとすぐに考え直し、理由を訪ねた。
ナルトはシカマルの疑問にうん、と目線を彷徨わせたが、数秒のうちに口を開いていた。
「サイがさ、ここに来て一週間と少し立つけど、一歩も外に出てないことにシカは気付いてた?」
 ナルトの言葉にシカマルはこの一週間を思い返し、あー、と声を上げながら顔を顰める。
「……そのことならなんとなく気になってたが、やっぱり家から出たことなかったのか」
「うん。多分、だけど、あいつは俺達から一度引き離されているだろ。だから外に出たらまた同じことが起こるんじゃないかって、そんな漠然とした不安を持ってるのかなって」
 ナルトはそう言いながら体をぶるりと震わせる。
 シカマルと一緒に暮らし始める前、ナルトもまたな、と帰っていくシカマルを見るたびに二度と会えないんじゃないかという不安を抱いていたことがある。
 サイも似た様な気持ちを抱いているのではないかと思えば、自然に答えが出てきたのだ。
 シカマルは、そんなナルトの気持ちを察したのだろう。
抱き締める力を僅かに強め、唇に触れるだけの口付けを落とす。
「ナル……」
「ん、シカ……」
 愛おしさを込めて名を呼べば、ナルトも嬉しそうに表情を緩ませて口付けを返してきた。
「ナル、わかった。明日は無理だけど明後日必ず休みを取れるように調整する。ナルもそのつもりで調整してくれ」
「ん、ありがと、シカ」
 暗部総隊長と総副隊長という地位を持つ故にたくさんの任務を抱える二人は、なかなか同じ日に休みを取るということが出来ない。
 それをサイの話と休みを取りたいという願いだけでナルトがしようと思っていることをわかってくれただけでなく、明後日休めるように調整すると簡単に断言したシカマルに、ナルトは微笑を浮かべて礼を述べた。

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