同い年の親子シリーズ

□嘘の日とサイの本音
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「もう嫌です!」
 突然の叫び声にその場にいた皆が一斉に振り返る。
一体誰が叫んだのか、その声の主を見て、全員が驚いた。
 皆の視線の先にいたのはサイ。
 あのいつも表情の読めない笑顔は消え去り、完全な無表情の彼は、全身に苛立ちの気配を纏わせていた。
「ど、どうしたの、サイ?」
 一番近くにいたサクラが恐る恐る訊ねる。
しかし、サクラの言葉を無視し、サイはじっと二人の人物へと視線を向けていた。
「もう嫌です! どうして僕がこんなことしなくちゃいけないんですか! なんで僕が貴方を馬鹿にしなくちゃいけないんですか!」
 訴えかけるサイの目に映るのはサイにとって一番大切な人達。
その二人は、困ったような表情で互いを見合わせ、サイを見つめ返した。
―――ああ、困らせている―――
 そう心の中では思うものの、一度口に出した言葉は戻すことが出来ず、サイ自身、久々に爆発した感情の波を止めることが出来なかった。
「偽りでも貴方達を馬鹿にするなんて、何も知らない振りをするなんて僕にはもう耐えられません、父上、母上!」
「!?」
 そう告げてつかつかと歩み寄り、シカマルとナルトに抱きついたサイに皆の思考は完全に止まった。

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