短編

□押して駄目なら蹴り倒せ
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 事の起こりはシカマルの不審な行動からだった。
 最近ふらりとどこかに消えては帰ってくるという行動を繰り返すようになったシカマルに、不思議に思ったナルトはどこに行っているのかと訊ねた。
 しかし、シカマルは曖昧に言葉を濁すだけで答えない。
 ナルトが訊ねて答えてくれなかったことなど無かっただけに、ナルトは余計に気になった。
 本当ならば、しつこく訊ねてシカマルから真相を聞き出したい。でも今のナルトにはそれが出来なくて。
 だからナルトはシカマルの後をつけてどこに行くか確かめることにした。
 ふらりと出て行く周期は決まっていて二週間に一度。
 予測を立てた日がシカマルの休みの日で自分は任務が入っていることを確認するとすぐに実行することを決断した。
 そして当日、ナルトは暗部の任務に行くためにシカマルと別れると、影分身に暗部の任務を任せ、自身はすぐにシカマルの後を付けた。
 暗部総副隊長を勤め、実力はほぼ互角のシカマルに気付かれないようにするのは骨が折れたが、何とか気付かれることなく彼の目的地に辿り着く。
 そこは洞窟になっていて目隠しの結界で外の目に触れないようになっていた。普通の人が見ればただの岩壁にしか見えないが結界の中に入れば洞窟の入り口が現れる。
 随分手の込んだことをしているなと思いながら結界をすり抜け洞窟に入ったものの、そこでシカマルを見失い何気なく入った部屋を見ていたら……閉まってしまったのだ。扉が。
 ナルトは扉を開けようと試みたがびくともせず。途方に暮れていたのだった。

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