本編1

□続・独占欲
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「シカの馬鹿!! 嘘つきっ!!」
 突然、怒りと共に叩き付けられた言葉に、シカマルは呆然と目の前の人物を見上げる。
手にしていた書類は滑り落ち、机の上に散乱してしまったが、それすら気付かない。
「ナル…? 一体……」
「とぼけるの!? 約束破ったくせにっ!」
 まったく覚えのない状況でナルトから嘘つき呼ばわりされ、シカマルも現状を理解することが出来ず、珍しく焦りの表情が浮かんだ。
「ナル、ちょっと待て! 約束って一体何のことだっ?」
 シカマルは、頭の中の記憶を物凄い速さで洗い出すが、ここ最近約束をした事実はなく、今日が何か特別な日であるというわけでもない。
「ナル、わりい。わかんねーよ。約束って何のことか教えてくれ」
 困り果てたシカマルは、ナルトに降参の意を示す。
ナルトはそんなシカマルをギッと睨み付けた後、悲しそうな顔になり、俯いてしまった。
「…もういい。シカなんか嫌い…大っ嫌い!」
「ナルっ!!」
 シカマルが止める間もなく、ナルトは居間を飛び出し、寝室に駆け込む。
そのまま鍵を閉め、結界術を使って、追ってきたシカマルが完全に入れないように二重の封印をしたのだった。

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