□そうなることが怖くて・・・ だからそうならない様に―――
1ページ/9ページ

暗い。暗い。
周りが皆暗い。
かといって、真っ黒な闇ではない。
むしろ、真っ白だ。
なのに暗い。
白なのに暗いという、なんとも表現し難い空間だ。

何処だろう。ここは。

―フッ―

っと、暗い、白の空間に影が過ぎった。
その影は段々と形を表していく。

気がついたら、俺のよく知る形で、「何してんだ」と、影の名前を叫ぼうとしたら――――

消えた。

正確に言えば、周りの背景の色に解け込んでしまったという表現が1番合っているかもしれない。

「待てっ!」と言わんばかりに手を伸ばした。

しかし、その、今まであった影は、その手を一つ残して背景と同化してしまったように見えた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ