文
□そうなることが怖くて・・・ だからそうならない様に―――
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「オーイ。 今の所は名前で呼ぶ場面だろ。『銀時っ!』ってよぉ」
一度閉ざされた襖がまた静かに、音を出さず開かれた。
と、先程の、銀時と自ら名乗っていた男が、やはり、珍しい銀色の頭をポリポリと掻きながら、今まで通りの喋り方で入ってきた。
その様子を目に映した土方は言葉が出ない様な、驚きの表情を隠し切れていうない様子だ。
「何・・・で、ココに」
と、ようやく言葉にできたものを問う。
すると、やはり先程と同じような喋り方で、
「いや、呼んだのお前じゃねーの?
むしろ何で呼ばれたのか聞きてーよ銀さんはぁ。」
と、後半、溜め息混じりで答えてきた。
YOンだ・・・読んだ?
いや、呼んだ、そうだ、俺は確かにアイツを呼んだのか!
っと、暫らくして脳内が正常に戻っていく。
しかし、呼んだ当の本人、土方は呼んだ理由が未だ分からず、きっと脳内で話し合いをしているんだろうと思う。
「何?
用が無いなら銀さん帰っちゃうよ?
愛しの銀さん帰っちゃうよ?」
土方が余りにも黙っている(考えている)ので、その土方に耐え切れず、急かして襖に手を掛ける。
その瞬間。
「待って!」