文
□そうなることが怖くて・・・ だからそうならない様に―――
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「!?っ・・・」
また、その銀色の人物は質問をしてきた。
先程までの頭の中での出来事を、その出来事で悩まされてたことを的確に、しかしその言葉はいつものように気が抜けてて、けれども何処か気持ちが伝わってくるという、銀色の人物の不思議な、独特な喋り方が、夢に魘されてた土方の脳内に響く。
「別、に・・・」
と、正確な答えではない、曖昧な言葉でその質問に答える。
その言葉からは、不安な、それとも辛いような、喜びとは言えない感情が入っていた。
「・・・」
それを心配に思ったのか、その銀色をした男は押し黙る。
表面だけの言葉を掻けず、あえて黙っている。
相手の事を考えているという思考が読み取れる。
「・・・分かったらさっさと出て行け」
2人の間に沈黙が訪れると、土方が低音で、何の感情も入っていないような言葉を発した。
その言葉を掛けられた男は、暫らくして立ち上がった。
「俺は邪魔か・・・」
とでも思ったのかは知れぬが。