‡soar〜ソラ〜‡
□『soar』W
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…コツ…コツ…コツ…
何かを確かめるように、死体が転がる地面を歩く…。
終わらない戦い、なかなか堕ちない敵兵達に苦い顔をし
ファネは城の門をくぐった。
変わらない表情で歩き続け、
城の中でも一際大きな扉の前で立ち止まった。
「軍事指揮長ファネ、只今戻りました。国王」
「入れ」
手早い挨拶の後、
軋む音をたてながら重たい扉がゆっくりと開いた。
長い赤絨毯の先には玉座。
彼はそこまでゆっくりと歩き、方膝を折った。
「戻りました、国王。」
頭を下げ、祈りのように目を閉じる。
「どうなんだ、実況は。」
国王は息子を見つめながら、感情の薄い瞳で問うた。
「はい、第一区から第三区までは堕ちました、第四区での戦滅も時間はかからないでしょう。」
玉座に腰かけた男の口があがった。
実力でのしあがったこの椅子に次は自分が座るのだと考えると、心は沸き上がる歓喜に支配された。