記念品

□作家たちの歌声
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『作家たちの歌声』

作家は小説より寄なり。

数十余年生きてきて嫌というほど身に染みついた言葉がこれ。
例えば心の少しばかりの変化も描写し、多くの読者の涙を誘う恋愛小説の作家は童貞君。
例えば壮大な冒険ファンタジー小説を得意とする作家はインドア派。
例えば身も凍るほどのホラー小説を好む作家は穏和で家庭的だったりする。

上記にあげた彼らを笑ってしまいそうだが、そんな私も実は彼らと同類だ。離婚を数回繰り返しているクセに温かな家族をテーマとした題材が得意の作家がこの私。

時には体験を、時には取材を、と試行錯誤の作家たち。その一文字一文字はまるで音符。文章なら旋律。本一冊なら、交響曲だろうと私は思う。
音を操るのは音楽家や演奏家。映像等ならば映画監督や写真家。絵ならば画家。その他にも、もっともっと沢山…。
それぞれ得意な物を操り独自の表現を磨きに磨く。
作家は文字を操る。
文字に色などないし、迫力も、血も通っていない。しかし、それを操りまるで全てが自立し命があるかのように見せつける、それが作家。

その一言が貴方の人生を大きく変えてしまうのはきっと、魔術師に魅せられているからかもしれない。
最後に一言。
これを書いている私自身も、また多くの作家たちも奇人である。奇人であるが故に魔術師なのだ。



『作家たちの歌声』より。著:園部 乃愛





注)作家たちの歌声や著者の園部さんは実在しませんのであしからず。
 

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