×土な話

□生昼メロは好きですか?
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「俺、コスプレに興味あるんでさぁ」

腐れ縁を数えて早10年弱。
恋人と言うカテゴリに属して1年と半年。
喚く土方さんを武装…基、力で捩伏せ彼氏役について3ヶ月。

俺はその彼女モドキに一言告げた。



−生昼メロは好きですか?−



「お前…真っ当な人間じゃねぇのは分かってたが、オタク趣味まであんのか…」

手入れが行き届いた眉毛を盛大に寄せて、別れてくださいと土下座してくる俺の彼女。言い続けるがモドキ。

それがまぁ、昼休憩中の縁側って辺り、どう考えても面白過ぎる。

下っ端の奴は俺達を見ながらオロオロ動き回る癖にバッチリ観察してるし、
山崎はミントンの素振りをしそこねて顔から落ちていった。
(おぃ、そりゃ俺が徹夜で掘った対土方用の深さ5m落とし穴じゃねえかぃ?)

近藤さんだけが酷く微笑ましげに見守ってるが、あの人は俺達の親か何かの気か。

こんな局長だからか、非常識過ぎる職場恋愛は誰の反論無く容認されている。
ってか、皆楽しんでるってのが正しいかねぃ。

そうなりゃ、こっちだって観客を楽しませてやろうってもんでさぁ…。

だから今回はトッシーにあやかってオタクネタで。


「そんな、俺はあんたみたいに素肌にジージャン、鉢巻きの趣味はありやせんぜ?」

「あれは不可抗力だろうが。なぁもぅ何でも良いから一回死んでくれるかなぁ総悟君」

「いやいや、年寄りのあんたを置いて先に逝くのは可哀相でねぃ」

「はぁ?俺はまだまだ若いから気にすんな」

「最近腰が痛たいって言うじゃねぇかぃ。あんま激しい仕事は堪えますぜぃ」

「あぁ。やっぱお前さえいなけりゃ腰痛ともおさらばなんだけど…」

「何でぃ、昼間っからいやらしい。誘ってんですかぃ?」

「ホント6回くらい苦しみ貫いてて死んで欲しい」

「6回もですかぃ?元気ですねぃ。じゃあ期待に添えるよう頑張んなきゃな」

「…おぃ、お前マジ?」

「俺は結構マジですぜ。ほら、衣装もこのとおり」


やっぱネタにするなら事実も一緒に作らないと。

感謝してほしい。
機能わざわざ青○で2万円のスーツ買って来たんだからねぃ。
多分今日しか使わないだろうけど…


「遊女の着物が欲しかったんですがね、吉原まで行く時間がなくて、今日はスーツプレイで勘弁してくだせぇ」


ギャーギャー煩い癖に、今だ座り込んでる土方さんの首根っこを掴んで観客に一礼。
微妙な空気と拍手を一身に受けて、掴んだ首根っこを引っ張りながら俺の部屋へ…

仕事は山崎。よろしくねぃ。


−−−−−−

ようするに、素直じゃない二人のイチャツキ話。

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