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□本日、快晴
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本日、くもり
降水確率50%

なんだか澱んだ天気
さらにこの空のように
今俺の隣を歩くこの女は気分がよくないらしい。

さっきまでいつものように、よくそんな喋ることがあるなと思うほどのマシンガントークを繰り広げていたが、今はほっぺた膨らまして、うつむいている。

いつもは機嫌わるい時は俺に愚痴ってくるのにそれもない。そして俺にキレているんなら、もっと怒鳴るだろうからそれもない。

そろそろどうしたのか聞かせてもらいたい。

「おーい、いのさぁーん?」

「…なによぉ」


うつむいたまま、返事をする

「どうかしたか?」

「…別に。」

「なんかあったんだろ?」
「…うぅーシカマルのせいよぉ」

「俺?俺なんかしたか?」

「シカマルのせいだけどシカマルのせいじゃないのぉー!!」

いのさんお願いです。
俺のわかるように説明をください。

「…だって。きっと話したら嫌いになるのよぉ。」

「ならねぇよ。」

「我が儘って思うわー」

「お前の我が儘なんて慣れっこだ」

「…死にたいの?」

「冗談です。」

「…」

「で、どうしたんだよ?」
「……だったの」

「え?」

「シカマルが女の人と話してるのがイヤだったのー!!」

「…いや、あれは」

ただの、先輩というか…情報を伝えにきただけだ。

「わかってる!わかってたけど…やなんだもん。嫉妬深いでしょ?いやでしょー」


もう半泣きな彼女。
曇りの空も雨が降りそうだ。

でも 俺の頭の中
本日、快晴。

どうしよう…飛び上がりそうに嬉しい。
お前以外みてねぇよなんて臭い言葉俺には言えねぇ


「…なんかいいなさいよー」


「…バーカ」


「…っ!!もうシカマルなんか知らない」

走りだそうとする彼女の細い腕をつかむ


「放し…キャッ」


言葉には出来ない俺は彼女を精一杯抱きしめた。


君がいれば

本日、快晴
例え雨がふろうとも

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