ギャングキング夢小説

□【先】
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今日は貴方は一人

私の横を通り過ぎる






それと同時に心の中で呟くよ



“こんにちわ”


そして


“さようなら”


今日も明日も明後日も

至福の時を感じれぬままに

貴方は私の横で風を切る















「わッ!!」
「きゃッ…!!」



何が起きたのかしら

愛しい貴方の声が
私の耳元で散った



私の頭が

強い力で引っ張られた んだ




「悪ィ…釦に髪…絡まった」
「―…いえ、いいんです…」



近い すごく近い

貴方の顔


貴方の申し訳なさそうな表情

貴方の焦ったような声

貴方の瞳に映る私


「…ははッ」
「え…?」


貴方は突然笑い出した





「なんだ、アンタか…毎日すれ違ってるよな?」

「え…あ、はい」





微笑まないで





私の存在に
気付いてくれていた
その事実に













泣いてしまいそう







「痛かったろ?ごめンな」

「いえ…」




私の頭に貴方がそっと触れる



照れくさそうに






「綺麗な髪だな…俺、ジミー」

「あ…名無しさんです…」






心臓が









五月蝿い…











「宜しく」

「こッ…こちらこそ…」





















私の願い





貴方に触れること


貴方に微笑むこと


貴方を愛すること





どうか叶うのならば










貴方が私を愛しますように






淡い期待を込めて





そっと髪にキスをした






END
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