ギャングキング夢小説

□【寒風注意報】
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「負けたァ-!!」
「よッしゃ!アタシの勝ち!!」
「名無しさんはマジ強ェなぁ」
「トランプでアタシに勝とうなんて100年早ェんだよ-!!」


バンコとそうやって遊んでいたのももう1ヶ月も前の話

私は今 一人だ





バンコは私の幼なじみであり
想い人でもある

小さい頃から私を笑かしてくれていた
いつも私の味方だった

今思えば、私がいつもトランプでバンコに勝っていたのも
バンコがわざと負けていてくれてたのかもしれない


そんなバンコと喧嘩したのはほんの些細なことだった


バンコにはジミーという大切な友達がいて
私と居ない時はずっとその人と一緒にいた

私はジミーとは話したことがなくて
たまたま学校帰りにバンコを見かけた時
チラリと見ただけだった

その人がジミーかどうかは分からない
だけど銀髪で背が高くて、バンコから聞いていた話と噛み合うから恐らくジミーなんだろうと思うけど

私に会わせないのはバンコなりに考えがあるのかもしれないから
真相は確かめられなかった

そんなジミーに私は会いたいと思った

だって私の好きな人の親友だもの

バンコが一体ジミーのどこを好きになったのか、知りたくなっただけ


だけどその一言から 私たちは離れ離れになったんだ


「…駄目だ」
「どうして!??」
「駄目ったら駄目なんだよ!!」
「〜…ッ!!!バンコの分からず屋!!」


何故 駄目なの??
何故 怒るの??

それさえ聞かないままに
私はバンコの家を飛び出した



それから一ヶ月経って
アンタの姿は一度も見ていない


風が強くなってきた 学校からの帰り道
私は只俯いて 携帯を握り締めるだけ


本当は謝りたいんだよ
「我が儘言ってゴメン」って

だけどどうしても意地張って
バンコからのメールも電話も
ずっと拒否ったまんま…



私ほど馬鹿な女はいないんじゃないかしら




学校へ行くときも
つまんない授業中も
こうして学校から帰る時も

いつもならあんたとずっとメールしてるはずなのに

この1ヶ月

携帯を開く私の手は

酷く 重い





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