□落書き絆創膏
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最近幼なじみ兼、あたしの片思いの相手の亮が冷たい。
別に付き合ってるとかそう言うんじゃないけど、やっぱり幼なじみとして、片思いの相手として結構キツい訳で。
しかも構ってくれない理由が、跡部曰わく鳳にテニスを教えてるからだとか。
幼なじみより後輩かよってな感じな訳ですよ。
こんな感じですが内心あたしの繊細なガラスのハートがパッリーン!と、そりゃもう派手な音を立てて粉々に崩れちゃって...
だから今日は仕返しに、亮に悪戯をしてみようと思います。
次の授業は亮の嫌いな数学。
しかも今日は絶好のお昼寝日和。
なので必然的に亮は授業をさぼって屋上へ昼寝をしにくる。
ってことであたしは見つからない様に貯水タンクの裏に身を隠した。
ガチャッ。
「(ほら来た。)」
あたしの予想通り亮が大きな欠伸をしながら屋上に入ってきた。
あたしがこんな所に隠れているなんて知りもせずに、腕を枕代わりにして寝転がる亮。
「(何か可愛いかも。)」
内心ニヤニヤしながら見ていると、亮の小さな寝息が聞こえて来た。
「行くか。」
亮が眠ったのを確認して近付く。
上から亮を久しぶりにマジマジと見つめてみた。
「(亮、寝顔可愛いッ。)」
さっきからこんなことしか考えていないが気にしない。
ふと亮の額を見てみると、絆創膏が目に入る。
きっとテニスで作った傷だろう。
「(あ、いいこと思い付いた。)」
あたしは妖しく笑いながらポケットからペンを取り出した。