愛と殺意は紙一重

□い
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「ソース、付いてたよ。」


そして幸村は、あたしの口元を拭ったその指を、何の躊躇もなく舌で舐めとったのであった。



いたい
  わせない



「ちょ、えッ?!」


「ん?どうかした?」


涼しい顔してキョトンとする幸村。
そんな幸村とは対象的に今、あたしの顔は確実に真っ赤だろう。
だって...だって、だって!!!!


「(あたしの口に付いてたの、普通に舐めたんだよ...ッ!?!?有り得ない!!)」


頭の中で考えれば考える程恥ずかしい。
恥ずかし過ぎて、どうしたらいいか分からなくて俯くことしか出来ない。
とりあえずこんな顔、幸村には見せたくなかった。
やたらとうぶな自分の反応に、自分で自分が嫌になってしまう。
幸村に振り回されてる感じもやたらと癪に触る。
...しまいには涙まで滲んできた。


「(あたし情けなさ過ぎ...。)」


もしかしたら幸村にとってはこんなこと、別に何ともないのかも知れない。
けどあたしにとっては一大事な訳で。
チラリともう一度幸村を盗み見る。
そこには誰もが羨む幸村のキョトン顔が、いまだに絶賛継続中だった。


「まりあ?」


「ッ、何でもないッ!!」


「(ああああああッ!!!!!今、名前なんか呼ばないでッッ..!!)」


いまだに火照り続ける自分の顔を恨みながら、あたしは顔の熱が一刻も早く引いてくれることをただただ願った。


 
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