愛と殺意は紙一重
□は
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「あれ?まりあ?」
ここであたしの意識はブラックアウトしたのであった。
きゅんときたのは
ここだけのはなし
「ん、ん...。」
ゆっくり意識が浮上していくのを感じ、あたしは目を覚ました。
あたしはいつの間に眠ってしまったんだろう。
霞む目を小さく擦って体を起こすと、ジャラッっと鬱陶しく音を立てる銀色のそれ。
「(ああ..そう言えばあたし、)」
「誘拐されたんだった。」
ポツリと呟く。
若干クラクラする頭を押さえながら周りを見渡すと、幸村の姿はなかった。
それにしても口をゆすぎたい。
歯を磨きたい。
とにかく口の中を綺麗にしたい。
「おえ...。」
思い出したらまた気持ち悪くなってきた。
もう一度口をごしごしと服の袖で拭うと、着ている服が変わっていることに気が付いた。
今までは制服だったのに、今はふわっふわのワンピースを着ている。(ちなみに色は水色で、かなりロリロリであたしには確実に似合ってない)
きっと幸村が着替えさせたのだろう。
呆れとか羞恥とか怒りとかその他もろもろを通り越し、もはや脱力感しか湧き上がってこない。
ガチャッ
その時、部屋の扉がゆっくり開いた。