愛と殺意は紙一重

□ん
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気が付いたら


「え、ここ何処?」


見知らぬ部屋に居ました。



じめまして
  んらのおにいさん



周りは瓦礫だらけの廃屋。
...では無く、普通の部屋だった。
勿論あたしの部屋じゃなくて、如何にも"女の子ルンルン♪"って感じの部屋。

正直居心地最悪。(あ、何かこれ中国語みたい。)


「いやいや、んな呑気なこと考えてる場合じゃないでしょ。」


どうやらあたしは誰かに拉致(?)られたらしい。
だって気付いたらここに居たし、勿論こんな部屋知らない。
周りを見渡してもメルヘンな空気に気分を悪くしそうなのでやめた。
とりあえず何でこんな状況になったのかを考えてみる。


「うー...別に普通だったよなあ。」


学校が終わって、いつも一緒にいるあみちゃんとさやかちゃんと帰ってて、『明日っから夏休みだねー。』なんて話をしながらいつもの道で2人と分かれたんだよね。
それから...それから、は...あれ?
それから、どうしたんだっけ。


「(思い出せない。)」


曲がり角を曲がった所から、明らかに記憶が無い。
考えても考えても思い出せない。
そろそろ考えるのがめんどくさくなってきたからを諦めようと思う。(諦めんの早ッ!とか聞こえない。)
あたしは無駄なことはしない主義なんだよ、と小さく呟いた。


...よし、とりあえず外に出よう。


ジャラッ


「...ですよねー。」


完全に忘れてた。
あたしは拉致(?)されたんだった。
足首には足枷が付いていて、動く度にジャラジャラと五月蠅い。
でもご丁寧に足枷の下にタオルが巻いてあるので痛みはほとんど無い。
犯人さんは案外優しいらしい。


「(って、誘拐犯に優しいも糞も無いか。)」


ふう、と小さく息を吐き出してとりあえずベッドに寝転んだ。
ボーッと真っ白な天井を見上げる。


 
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