愛と殺意は紙一重
□た
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「えっと、その、あれだよ..あたしのお姉ちゃ「へえ、まりあのお姉さんはそんなに男らしい名前なんだ。フフ、後で挨拶しに行かなきゃね。」」
もしもし
どなたさま?
とりあえず3分前の自分をぶちのめしてやりたい。
あたしのこのユルユルでお馬鹿な口を糸で縫い付けてやりたい。
そうすればこんな事態には少なくともならなかった筈だ。
「で?説明してもらおうか。」
「な、何をでしょう。」
「...フーン。」
「(あれ?此処って北極だったっけ?何だかブリザードが吹き荒れてるんだけど...。)」
今の状況を簡潔に説明すると、カーペットに正座なうなあたし(あ、ちゃんと服は着たよ)とベッドに腰を掛けてそんなあたしを絶対零度の微笑みで見下ろしている幸村様。
しかし目だけは笑っておらず、その視線だけで軽く3人は殺せるんじゃないかと思う。
恐ろしい。
とにかく恐ろしい。
この状況を早く突破しなくてはあたしの精神は間違いなく粉々だ。
だからといってが天下の幸村をあたし如きの拙い嘘で欺けるとは1mmとも思わない。
かといって海斗のことを馬鹿正直に全て話す訳にはいかない。
絶対にだ。相手は好きな子を監禁してしまう様な変態だ。
そんな奴に本当のことを話してみろ、何をされるか分かったもんじゃない。
あたしに何かするんだったらまだいい。
あたしのせいで海斗に何かあるかもしれない、そう考えるだけで背筋が凍った。
それだけは何としても阻止しなくては。