□落書き絆創膏
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「お、お前まで何笑ってんだよッッ!!」


「アハ、アハハハッ!!!!」


可笑しくて可笑しくて笑いが止まらない。
笑い過ぎて涙まで出て来た。


「っつうか、俺がホモってどういうことだよッ!?」


真っ赤な亮の問い掛けに、跡部が呆れた様に亮の絆創膏を指差す。


「は?」


亮は不思議そうに首を傾げながら、絆創膏を剥がしてみる。
すると。


な、何だよこれッ!!!


「「「ぷっ!...アハハハハッ!!!!」」」


亮のリアクションにみんな大爆笑。
そう、私の悪戯とは亮の絆創膏に落書きをすること。
今回は【俺は男大好き】って書いてみました。
丁寧にハートまで書いてあげたんだから!


「ちょ、あんま笑わせんなよ!!!」


「ほんまや。笑い過ぎて腹痛いわ。」


岳人何か腹抱えて笑ってる。
そんな私達を見て、亮の羞恥と堪忍袋の尾が切れたらしい。


「ッだあぁぁっ!!!俺はホモじゃねえし男なんて好きじゃねぇ!!俺が好きなのは梶原...ッッ!!!」


「え?」


「な、何でもねぇッ!!」


そう怒鳴りつけて亮は教室を足早に出て行ってしまった。
未だに胸がドキドキと高鳴っている。
周りもポカンと間抜け面で笑えるけど、それどころじゃない。


「(えっと..さっきのは...ッッ。)」


私だってそこまで鈍感じゃない。
さっきのことで、何となく亮の気持ちに気付いてしまった。
でも確信なんかはこれっぽっちもなくて、期待6割不安4割。
いろんな感情が頭を巡っていて胸がドキドキモヤモヤして気持ちが悪い。


「はあ..。」


そんなことを考えていると、あっという間に時間だけが過ぎていった。


 
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