□雨の日隠れん坊
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「で、いいことって何じゃ?」
つばきには聞こえない様に小声で問い掛ける。
「俺を含めここに居る全員つばきが好きだよね?」
各々が小さく頷く。
みんながみんな、つばきを好きなことを知っているから別に特別驚かないのだ。
「そこで、鬼は俺達全員。隠れるのはつばき1人。そしてここからが特別ルールだ。一番最初につばきを見つけた人が次の休みに部活1日免除+つばきとの1日デート権獲得..ってのはどう?」
その言葉に全員のR陣が反応した。
今まであまり乗り気じゃなかったR陣が一瞬驚いた様な顔をするが、次の瞬間には勝ち誇った様な笑みを浮かべる。
「みんな乗る?」
「聞かなくても分かるじゃろ。」
「全員乗る確率...100%。」
「今回ばかりは先輩方には悪いけど、負けないッスよ?」
「ばーか。俺が天才的に見つけんだよい。」
「今回ばかりは譲れませんね。」
「ふふ、俺も負けてられないな。」
「ねぇ、話終わった?」
1人取り残されたことに痺れを切らしたつばきが、我慢出来ずにR陣の元へやって来た。
先程の会話など全く知らないつばきはヒョコッとR陣の輪に入る。
「うん。今から説明するから。」
ニコッと笑い掛ける幸村に、小さく違和感を覚えながらもつばきは頷いた。