愛と殺意は紙一重

□た
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「...。」


「...。」


お互いが口を開かないもんだから気まずい沈黙が流れる。
この重苦しい空気をどうにかしたいが、あたしがどうにかすると、あたしがどうにかされてしまう。
つまりは八方塞がり。
あたしは心の中で小さく溜め息をついた。

すると、


〜♪〜♪


重っ苦しい空気を切り裂く様に少し前に流行ったアーティストの曲が流れた。
どうやら幸村の携帯の着信音だったようで、着信がすぐに止んだとこを見るとどうやらメールのようだ。
馴れた手付きで携帯を操作する幸村を横目に、先程よりはほんの少しだけマシになった空気にあたしは小さく息を吐いた。


「(このままさっきのことなんて忘れてくれないかなー...。)」


そんな都合の良いこと万が一にも無いとは思うがそう願わずにはいられなかった。
再度口から零れそうになった溜息をなんとか飲み込み、その元凶である幸村をチラリと見るといつの間にか何処かに電話を掛けている。
何故か口元は緩く孤を描いていた。
あの笑みは十中八九あたしに害を及ぼす時の表情だ。


「(嫌な予感しかしない...!!)


あたしはバッと幸村から目を逸らし、小さく身震いをした。
これから自分に降りかかるであろう災難を案じて。


「あ、もしもし。うん、俺。」


「今暇?」


「うん、うん、この前頼んだこと。」


「それは良かった。..はいはい、分かってるよ。」


「あ、ちょっと待って。」


幸村は二、三言電話の相手と会話を交わすと、おもむろに携帯をベッドの上に置いた。


「これでよし。あ、聞こえる?」


そして携帯から聞こえてきた声は、


「おん。聞こえちょるよ。」


思いもよらない声でした。











































しもし
  なたさま?

(ちょ、え、え、誰ッ?)(きっとまりあも知ってると思うよ?気に食わないけど。)


 
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