□歪な愛に誓いの口付けを
2ページ/4ページ




四限目が10分程前に終わり、あたしはテニス部の男子に囲まれて昼食をとっていた。
あたしのクラス、B組には四限が終わった直後には目障りなゴミ共は消えテニス部が集合する。
テニス部はあたしの一番のお気に入りだ。
ルックスは申し分ないしなによりあたしへの忠誠心が高い。
だから基本的な身の回りのことは彼等に任せていた。
今は景吾がフランスから取り寄せたと言う最高級のソファに身を任せ、右手は侑士に爪を研がせ左手は長太郎にマニキュアを塗らせている。
その間も景吾はあたしが食べたいと言った最高級の生チョコをあたしの口へ運んでいる。
全員が恍惚の表情を浮かべながらあたしを見詰めているのがなんとも心地良い。
すると、黙って爪を研いでいた侑士が何かを思い出したかのように口を開いた。


「そう言えば..つばき、A組の女から告白されたんやけど。」


その瞬間、ピタッと何もかもが止まった。
そして次の瞬間、

バチンッッ!!!!


「ッッ!!!!」


あたしは侑士を思い切り叩いた。
叩かれた侑士の頬は先程まで自分が磨いていた爪が引っ掛かったのか何本もの赤い線が出来ている。
だけどそんなことどうでもよかった。


「..侑士、それはいつのこと?」


ソファからゆっくり立ち上がり横たわる侑士に問い掛ける。


「ッ..け、さ...ゔッ、ゴホッゴホッ!!!」


そんな大事なことを今の今まで言わなかった侑士に腹が立ち思い切り鳩尾に蹴り上げた。
激しく咳き込む侑士に舌打ちをすると、侑士はビクリと身体を震わせヨロヨロと立ち上がり..そしてあたしの足元へ跪いた。


「侑士、分かってるわよね。」


疑問系なんかじゃない。
これは命令。
頭の良い侑士なら分かるでしょ?


「..姫様の仰せのままに。」


 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ