ずっと僕らは
□Ring。
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「やっべ、寝坊してもうた!仁もう来てるんかな…急ご。」
俺はいつになく緊張してしまい、昨夜はなかなか眠りにつけなかったのだ。
待ち合わせ場所に着くと、仁が居た。俺には気づかず、携帯を弄っていた。
しばらく見惚れていると、ようやく仁が俺に気づいた。
「ちょっと、何?何で誘った張本人が遅れてくるんですか?」
文句を言いながらこちらへ歩み寄ってくる仁。
しかし、俺は気づいてしまった。
仁の左手の薬指に煌くものを。
「仁、それ…」
「え?あ、これ?…これね、彼女に貰ったんだ。かわいいっしょ?」
か、の、じょ…。
「…外せ。」
「は?なんで?」
「…ええから、はよ、それ外せ!!」
俺は強引に仁の手を掴み指輪を奪い取った。
「何するの…亮ちゃん…」
「俺の方が…お前んこと好きや。だから、もうそんなもんすんな。」
「…亮ちゃん。ごめん。」
「…え?」
「嘘吐いちゃった。これは、彼女に貰ったんじゃないんだ。大体俺彼女居ないし。これは、ナンパ対策の指輪なの。ほら、俺って可愛いじゃん?だから、街に行くと声かけられたりするでしょ。そうゆうのうっとうしいからさ。…聞いてる?」
「…心配して損したわ。」
苦笑いを浮かべると仁が傍に寄ってきて、
ちゅっ、と音を立てて唇にキスされた…
「俺は、亮ちゃんしか見えてないから♪」
「…俺もや。」
END