ノベル
□明日の答
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ある日あたしは、日野さんっていう三年の先輩に、今度の新聞部の企画で学校の七不思議を話して欲しいって頼まれたの。
正直、気乗りはしなかったけど、日野さんは彼の友達だったからさ。断り辛いじゃん。
あたしがOKしたら、日野さん喜んでたよ。
七不思議の集会に行く前日、友達の早苗ちゃんに集まりの事を話したんだ。
そしたら早苗ちゃん、突然嬉しそうににっこりと笑うんだよ。
「そうなんだ…」
って言ったっきりぼーっとしちゃってさ。
まぁ早苗ちゃんが変なのはいつもの事だから、その時は放っておいたんだけどね。
だけど集会の当日、新聞部の部室に向かおうとしたら、早苗ちゃんに話し掛けられてさ。
「玲子ちゃん…気をつけてね」
なんてさ、本当に心配そうに言うから、怖い話をするだけだから大丈夫だよって言って、それから部室に向かったんだ。
…来なきゃよかった。
何でここに、あの女とデブがいるのよ!
しかも聞き役の子は遅刻するし、七人目はいつまでたっても来ない!
もう、ほんと信じられない!
あたしは嫌な面子の方を見ないようにしながら、怖い話を済ませた。
全員の話が終わっても七人目は来なかった。
…もう、早く帰りたい。
あたしが席を立とうとした、その時…
部室のドアが開いた。
「早苗ちゃん!?」
そこには早苗ちゃんが立っていた。
何で早苗ちゃんがここに?
もしかして早苗ちゃんが七人目…ってこともないだろうし。
早苗ちゃんは困惑する皆には気にもとめずに部室に入ってきた。
早苗ちゃん、やっぱり七人目じゃないみたい。
それなのに七話目を話してくれるんだって。
しかもだよ?聞き役の男の子の名前は坂上君て言うんだけど…
何と早苗ちゃん、突然その坂上君に結婚を申し込んじゃったんだ!
ほんとビックリしたぁ〜。
しかも坂上君もさ、OKしちゃったんだよね!きゃはは!
な〜んかよく見ると結構お似合いな二人だし〜。
相変わらず早苗ちゃんは変わってるなぁ。そこが面白いんだけどね。
それで、皆が面白がる中、早苗ちゃんの怖い話が始まったんだ。