ノベル

□‐彼‐
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僕達が彼を変えてしまったんです



彼は普通の人でした。

特別に顔が良いわけでもなく、特別に話しが上手いわけでもない。

けれど何処か惹かれる所があって、僕は彼をよく気にするようになったんです。


彼は支配する側の人間としては珍しく、少々怖がりな面がある様で、僕のする怖い話を怯えながら聞いていましたよ。

僕は趣味の合わない人間に話し掛ける事は少ないのですが、彼は別でした。


本当に普通の、特徴のない人だったんです。

それでも彼は何時だってひたむきで、不条理なこの空間を、精一杯生きようともがいていました。


けど、今目の前に立っているこの人は…
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