ノベル
□お出かけ
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翌日。僕は放課後が楽しみで仕方なかった。
日野先輩の話だと一度家に帰って、着替えてからの集合ということだ。
僕は午前の授業中、ソワソワと放課後の事ばかり考えていた。
「う〜ん…早く来過ぎたかなぁ…」
僕は約束の時間の30分前に、待ち合わせ場所に着いてしまった。
30分じゃ他の場所で時間を潰すのも大変だな…
僕は時間になるまでここでじっとしてるしかなかった。
「坂上くん」
「はいっ!?」
僕はいきなり名前を呼ばれて飛び上がった。
振り向くと…
「荒井さん!?」
「はい。こんにちは坂上くん」
そこには荒井さんが立っていた。
「こんにちは!こんな所で会うなんて奇遇ですね。荒井さんもどこかにお出かけですか?」
荒井さんは灰色のTシャツに黒いシャツを羽織って、ピッタリとした暗めのズボンを穿いている。
私服を見るのは初めてだなぁ…なんだか新鮮だ。
「…君と同じ所ですが?」
「え?」
どういう意味だ?
僕が首を捻っていると…
「よう」
「新堂さん!?」
新堂さんが現れた。
赤い無地のタンクトップに下は緩めのジーンズだ。腰に青いチェックのシャツを巻いている。
「たくよぉ、いきなり呼ばれて焦ったぜ。家で寝てたら突然電話が掛かってくるんだもんな」
「……」
僕は何となくこの後の展開が予想出来た。
いや、でもまだ決めつけるのは早い。