ノベル
□学校であったかもしれない怖い話
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〜side坂上〜
「う〜ん大丈夫かなぁ…」
今日の授業は午前までで、今四時間目の国語の授業が終わったところだ。
これから何処に遊びに行こうかと楽しそうに話しているクラスメイト達を横目に、僕は今の不安な気持ちを口にした。
今日は今まで失敗ばかりだった七不思議の企画を今度こそ成功させるということで、日野先輩から放課後部室に来るよう言われていた。
今度は最初から俺が同席するから安心しろ!と日野先輩は励ますように僕の肩を叩いた。
一体何を安心すれば良いと言うんだろう。
日野先輩のせいで駄目になったことが何回もあるのに…
「なぁ坂上!お前も一緒に来るよな?」
僕がこの後のことをモヤモヤと考えていると、友達の斉藤が声を掛けてきた。
「…ゴメン。今日は用事があるんだ。」
「え?だって今日は新聞部休みの日だろ?
…もしかして女の子と約束か!?」
斉藤がニヤニヤと僕をつついてくる。
「違うって!次の校内新聞の企画について先輩に呼ばれてるんだ…」
僕はちょっとため息をついた。
確かに部活は好きだけど、ぶっちゃけ七不思議はもう勘弁してほしい…
今まで何回も話を聞かされて散々ひどい目にあった。
毒を飲まされて襲われたり、宇宙人に拐われたり、人形に取り憑かれたり、デブとトイレに籠ったり、付き合ってと脅されたり、水泳部の部室に忍び込んだり…
「そっか…何かお前、最近多いよな。そういうの。」
よほどうんざりした顔をしてしまったんだろうか。
斉藤が気遣うような視線を向けてきた。
僕は笑って謝った。
「せっかく誘ってくれたのにゴメン!また誘ってよ。」
「気にすんなって!俺、優しいからな〜!これは坂上が俺に惚れちゃうのも無理ないよなぁ。」
「ば〜か!なに言ってんだよ。」
僕はヘラヘラ笑ってる斉藤を小突いた。
斉藤は冗談ばかり言う奴だけど、僕とは結構ウマがあう。
新装版ではちゃんとグラフィックも出たしね。
「なんなら待っててやろうか?」
「う〜ん…でも遅くなると思うからいいよ。もしかしたら夜明けるかもしれないし…」
「どんだけ!?いくらなんでも熱入れ過ぎだろそれ!」
「いや、まぁ、うん…」
そろそろ時間も無くなってきた。僕はまだ心配そうな顔をしている斉藤に手を振り、部室棟に向かった。