ノベル
□糸
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複雑に絡まって、解けなくなった糸を目の前にした時
お前ならどうする?
「ぅ…ぁぐ…」
俺の足元で苦しげに呻いている獲物を見て、俺は薄ら笑いを浮かべた。
「お前がいけないんだぜ坂上。お前が俺を裏切るから」
絡まった糸の名は愛情と劣情と憎悪。
俺はこんなにもお前を愛してやってるのに、お前は何故平気な顔をして俺以外の連中に笑いかけるんだ?
「坂上…俺はお前を、心の底から愛しているんだ」
なんであんな奴らに笑いかけるんだ?
「…日野…せん、ぱ……かはっ」
なんであんな奴に笑いかけるんだ?
「だからお前も俺を愛するべきなんだ。当然だろう?」
考えても辿っても解けない糸は、ただガムシャラに…目茶苦茶に…
「お前のその顔…酷く興奮するよ」
「ひっ…あ…」
無理矢理指をねじ込んで
「坂上…坂上…」
「せ、先輩…やめ…やめてくださ……あ…あぁ…」
押し広げて
「坂上…お前も俺を愛しているよな?俺だけを愛しているよな?」
引き契って
「いっ…あぐ…あ、あ…あい…あいしてま、す…あいしてます!先輩だけ…だ、だからっ…もう…っぁ」
それでも駄目なら
「そうか…安心したよ」
切り捕るだけ。
「ならそのままイッてくれ」
切り落とした糸屑は美しいから
大事に大事に閉まっておこう。
だってコレは“オレダケヲアイシテイルサカガミ”