ノベル
□正しい奴隷の扱い方
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「倉田さん!遅くなってごめん!」
今日は月曜日。あたしは放課後、坂上を呼び出した。
先日のカラオケ勝負でぶっちぎり優勝のあたしは、ビリの坂上を奴隷にする権利を得たの。
そこで今回第一回の命令に従ってもらう為に、部室に呼び出したってわけ。
「良いのよ坂上君。それでお願いなんだけど…」
「うん。協力して欲しい事があるんだよね?この前のカラオケの事もあるし、僕で良ければ力になるよ!」
「ありがとう坂上君!こんなこと頼める人他にいなくて……実はね、今度あたしが書こうと思ってる小説の事なんだけど…」
「うん。あ、それを書くのを手伝えば良いのかな?」
馬鹿っ冗談じゃないわよ!以前あんたが手伝ったせいでえらい目にあったんだから!!
「う、ううん違うの。坂上君にはね、小説の参考になるように、演技をして欲しいの」
「演技?」
「そう。リアルな小説を書きたいから、イメージにあった動きを実際にやってほしいのよ」
「なるほど〜。でも僕なんかが上手く出来るかな?」
「大丈夫よ!坂上君ならきっと出来るから!もうすぐ相手役の人がここに来るから」
「相手?」
「だって恋愛も友情も相手がいないと出来ないでしょ?」
「ああ!そうだよね」
「それから、リアルな反応が見たいから演技って事は絶対に口にしないようにね!ばれたら瀬戸さんのロッカーの刑だから」
「えぇ!?…てゆうか相手の人は演技って知らないの?」
「そうよ。だって分かってたら反応がわざとらしくなるじゃない。あ、これ台本ね」
坂上は台本を受け取ると、パラパラと読み始めた。
「え〜と……結構設定が細かいんだね」
「そうでしょ?坂上君がやりやすいように相手役の人も知り合いの人に頼んだから」
「知り合いの人?誰だろう…」
「会ってからのお楽しみよ。それじゃあ私は外にいるから宜しくね坂上君!」
そう言ってあたしは部室から出た。