ノベル
□お出かけ
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夏休みも近付いたある日の放課後。
元祖SFC主人公ことこの僕坂上修一は、新聞部の部室で一人残って作業をしていた。
実は作成中の新聞にミスがあって、同じ部活の日野先輩に修正するように言い付けられたのだ。
僕の以外のミスまで何故か僕が直すことになって、こんなに遅くまで居残るはめになった。
くそ〜…こんなに時間に帰って、無限廊下にでも嵌まったらどうしてくれるんだ!
僕は必死になって新聞を直していった。
「終わった〜…」
僕は思わず机に突っ伏した。
するとタイミング良く日野さんが部室に戻ってきた。
「坂上、終わったか?」
「あ、はい!終わりました。」
危ない危ない。日野先輩が来るまでに終わって良かった〜…
「…ふむ、ちゃんと直ってるな。やれば出来るじゃないか坂上。」
「…ありがとうございます。」
褒められているのかは微妙だが、僕はつい照れ笑いをした。
「じゃぁそろそろ帰るか。もうすっかり暗くなっちまったしな。」
「はい!」
良かった…これ以上遅くまで残ったりしたら、僕のことだから無事に帰れないかもしれない。
僕と先輩は片付けをすませると、並んで廊下を歩いた。
「なぁ坂上。お前今度の午前授業の後、暇か?」
「え?特に用事はないですけど…」
「良かったらどっか遊びに行かないか?最近部活で忙しかったからな。皆で息抜きまでにさ。」
そう言って日野先輩は笑った。
皆でお出かけ…そういえば部活の皆で遊びに行ったことなんて無かったな。
「はい!是非行きたいです!」
僕は嬉しくなってつい大きな声を出してしまった。
「そりゃ良かった!それじゃぁ他の奴には俺が声かけておいてやるから、くれぐれも他の予定は入れるなよ。それじゃ、また明日な!」
日野先輩が僕の背中を軽くたたく。いつの間にか分かれ道まで来ていたのだ。
僕たちはそこでお互いの帰路に着いた。