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□学校であったかもしれない怖い話
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〜side荒井〜

「今度のクラブの活動は坂上をターゲットにするぞ。」

…部長の一言で、僕達殺人クラブは次の標的を強制的に坂上くんに決めさせられました。

何でも今回は、今まで何度も失敗した七不思議企画を今度こそ成功させるという名目で誘き寄せるとのことです。

何でまた坂上くんなのかとか、何度も同じ相手はつまらないとか、てゆうか流石にそう何度も引っ掛からないだろ
と言った僕達の意見はまったく聞き入れてくれないようです。

「ただし今回は殺しはしない。ビビらせるだけだ。」

……意味が分かりませんが、日野様。

「え〜?殺さないんですかぁ?そんなのつまんなぁ〜い!」

福沢さんが不満の声を上げます。

「そうだぜ日野。第一クラブの活動なのに殺さねぇって意味分かんねぇぞ。」

右に同じです新堂さん。

「まぁお前達の言いたいことは分かる。だが殺そうとするのはまずいんだよ。」

「一体何故ですか?」

僕を含め、他の人達も疑問の目で日野さんを見つめます。


「お前等な…あいつを殺しにかかったら逆に返り討ちにあうだろうが…」

……なるほど…

「でもあいつは基本的に弱いから、
オバケの一匹や二匹見せれば直ぐに半泣きになるだろ。」

「オバケって…
一応殺人クラブの活動なんですからそれは控えた方が…」
「てゆうか、ビビらせて一体どうする気なんだい?」

風間の奴が僕を遮って質問した。

「……お前等人を殺してどうするか聞かれて何て答える?別に理由なんかないさ。
そこに坂上がいるから脅かす。以上。」

…坂上君に同情したくなりました。

「方法はお前達で決めて良いぞ。
俺は遠くから見物してるから。」

「…………」


…それにしても

「…1つ気になることがあるんですが。」

「あら、どうかしたの荒井くん?」

僕は岩下さんに視線を向け、ふと思い付いたことを口にしました。

「細田君がまだ来てないみたいですけど…」

「「「「「「………」」」」」」

こうして
まだ見ぬ七人目(細田)を待たずしてして、学校であったかもしれない怖い話が始まった……
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