明るい夢

はっぴーでいず
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12月18日(木曜日)

今日はわたしの部屋に赤也が遊びに来ている
わたしのベッドで睡眠中、まるでリラックスムード



そういえば、最近ふと思った事なのだが、もう何年も自分の涙を見ていない
わたしの涙腺、ちゃんとくっついてる?

悲しいことがあったとき、人前で泣くのは大嫌いだから1人でこっそり泣けばいいやと枕に顔をうずめたけれど、やっぱり涙なんてちっとも出やしなくて


きっと涙が家出をしているのね









「…何書いてんだ?」




私が日記を綴っていれば、背後からそれを覗き込んでくる人物が一名。




「赤也!び、びっくりするじゃない!」



先程までベッドで眠っていた彼が突然声をかけてきたから、私は慌ててノートを閉じて隠すようにして覆い被さった。
それを見た彼は、なんだか怪訝そうに眉をひそめては「何で隠すんだよ」と訝しげに口を開いた。

「中、見た?」



 

私がそのままの体制で恐る恐る尋ねてみれば、
「見てねー、何書いてたんだよ」
と私の身体の下敷きになっているノートを覗き込んでいる。
私は取り敢えずホッとして、「なんでもないから気にしないで」と素早くノートを机の引き出しにしまった。


唇をとがらせて少しだけ不機嫌そうな表情を浮かべた赤也はそのまんまスタスタとベッドに向い再びボフッと布団に埋まった。



「赤也、ケーキ食べる?」


どうにかして彼の機嫌を直そうと昨日買っておいたおいしいケーキを話題に出すが、彼は未だベッドに埋まったまま返事をしない。
どうやら本当にヘソを曲げてしまったようだ。



私はどうしたらいいか分からずにイスに座ったまま困ったように赤也を見つめた。








「…隠し事なんて、なんか寂しーじゃんか」


不意にくぐもった声がポツリと聞こえた。
どうやらそれは、赤也からのようだ。

赤也はそのままもぞもぞといじけたように布団を被ってしまった。




私はなんだかそんな彼が愛おしくなって、自然に笑みを浮かべていた。

 






ああ、私が泣かなくなった理由は、彼が原因かもしれない。
彼といると、泣いている暇もないくらい笑顔でいる気がするから。











私はそっとノートを取り出して、言葉をサラサラとつけたした。



もう一度ノートをしまいイスからゆっくりと立ち上がれば、目の前のベッドでいじけてしまった彼の機嫌をどうにかするために私はベッドに向かってダイブした。







はっぴーでい
(付け足した言葉は、泣く必要がないくらい毎日が幸せだから)


 

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