明るい夢

18時の帰り道
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18時、バスの中でゆらゆらと揺られながら、私はある一点を見つめていた。


見つめる先にいるのは私の好きな人、日吉若君。
私より一つ年下の彼はテニス部で、私も部活に入っているから帰りはいつも同じバス。

見つめる度に日吉君の長ったらしい前髪から見える瞳に吸い込まれそうだった。



初めは日吉君の周りに私と同じ学年の紫おかっぱや青い帽子君や丸眼鏡や三年寝太郎、そして日吉君と同い年の長身君とが居るのだが、その人たちも途中のバス停で各々の家路へと降りていく。
故に、最後はいつも私と日吉君の二人きり。


二人きりのバス内。
この空間で私は日吉君を遠くの方から横目で見つめた。
それが日課。

(ストーカー?ちがう、ただ見てるだけだもん、)



そう、話しかけたことはない。

そりゃあお近づきになれたら嬉しいけれど、特に話題もないし、彼もハードな練習後に話し掛けられるのはきっとダルいだろうから。


それに私、この距離でも満足しているし。


 
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