暗い夢

淡い想い
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「俺、もっともっと強くなって、いつかテニスの頂点を極めてやるッス」




瞳に希望を輝かせ、真剣な眼差しで私にそう力強く宣言するリョーマ君を見て、この男の子ならいつか本当に頂点にたどり着いてしまいそうだなとぼんやり思った。



「だから俺、アメリカに行くッス」



ああ、いつかこうなってしまうのではないかと思っていた。
リョーマ君とずっと一緒にいられるなんて、そんな夢みたいな事はあるはずがないと。




私がリョーマ君を好きだと言ったら迷惑かしら。
困った顔をしてゴメンナサイと頭を下げられるのかしら。

この目の前の男の子は優しいから、私が行かないでと言えば行かないでいてくれるだろうか。



私は、リョーマ君が外国に飛び立ってしまうのがもの凄く寂しい。



でもだからといって、行くなと言うのは卑怯なもんだ。

せっかくやる気に満ちている彼の熱意を冷ましていい権利なんて誰にもないから。




次に会うときは、リョーマ君の隣には金髪の可愛いガールフレンドがいるのかな。

そん時は、私だって隣に格好いいボーイフレンドを連れてリョーマ君に自慢してあげよう。



 


私はこの卑怯な気持ちを呑み込んで、彼に「行ってらっしゃい」と手を振った。










(大好きでした、)





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