暗い夢2

幼なじみ
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俺には幼なじみがいる。髪が長くて三つ編みをした、隣に住んでいる女の子。



ソイツはドジで、運動神経は悪いし泣き虫だし。おまけに運も悪い。



「また不良に絡まれたのかよ」


「う、うん…」



一年中おどおどしてるし肝は小さいし、自分に自信もない。そして方向音痴。



「…どうしたら自分の家と反対方向の道を行くんだよ」

「ご、ごめんなさあい」



でも、何事にも一生懸命だったりする。運動神経悪いくせに、テニスの練習は人一倍頑張ってるのを俺は知っていた。
毎日どこかしらに傷を作って練習するあの子。



「桜乃」


「ん?」



今日も膝に擦り傷を作ってきたようだ。
よく見ると、腕や足にも擦り傷が。


「まぁた怪我して…」


「えへへ…」



桜乃はちょっと困ったように眉をハの字にして笑った。



「そんなに怪我してまで続けるテニスって、やっぱ楽しいの?」



そう聞いた次の瞬間の顔ときたら。



「すごく、すごく楽しいよ!」



これでもかって目をキラキラ輝かせて、そう言った。
ああ。この子のこういう所が好き。
無邪気で、一生懸命で、何より笑顔がいい。


好き。そう、好き。



俺はこの子に恋をしていた。


 
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