桃海小説(短)2

□悦に入る
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ふたりでデートした時だったのです。
そら、ちょっと期待しちゃうじゃないですか

だって、海堂は『デート』なんて形で、俺とお出かけなんかしてくれるわけないんですから。



それが、一週間前に動物園に誘ったら、
「かまわない」ですと。


それは、もう「身体をどうされても構わない」って言われたかと思うじゃないの。


そんなんで、お泊りとかも考えちゃったりして、
最終電車わざと逃したりして?


ラブホテルに、自然にはいれる口実が出来るじゃないの、、









そーおもって、わくわくしてたのに。



「桃城、白熊がいねぇ。」

「し 白熊?」


動物園の動物紹介コーナーの掲示版をみて
一言、海堂は残念な顔をした。


一発目から、俺はなにか大きなミスをしたようだった、
ちょ

海堂ちゃんよ、海堂ちゃん!!お前っ
白熊みたかったのか!!
か、か

可愛いなぁああ!!!お前…!!!


ていうか、そんな事思ってる場合じゃなくて
相当、残念そうな海堂は落ち込んでいるように見えて



「かいど、白熊はまた今度見に行けんだろ?」

「…今日、見たかった。一週間待った」


「…」

まってたのね。
今日のデート、楽しみにしてたのね。。。

なんか、白熊のためなんだろうケド

いように、嬉しいのは惚れた弱みで




可愛いな…。





「白熊、すっげーとこ、見に行こう。来しゅ……」


「…今日は、ペンギンのショーがある…!」


「え。ちょ、海堂!?」



いい感じに来週の、デートの申し込みをしたのだが

聞こえたのか、聞こえなかったのか
海堂は、俺の腕を掴んで早歩きをしだした。



い、今、すっげ デートっぽい事してる。。





でも、このままでは海堂がリードしているようにも見える

それだけは、かなんねぇ


今日海堂を誘ったのは俺なんだからな!!!




そんなんでちゃっかり、ペンギンショー(ペンギンが可愛らしく失敗ばかりしているが)
をみながら、海堂をちらりとみて悦。


可愛らしさのため緩む表情を
必死で、睨みに変えている海堂は
俺には、可愛いのそれしかなくて



ああ、なんでこうコイツは俺を煽るのが上手いんだろう。

今すぐにでも、押し倒したい衝動を
この場所と、人の多さで我慢している

あー、生殺し。



そんなこんなで、海堂は見たいところに、どんどん行ってしまって

俺は只、後を追いかけるように隣を歩く。




デートだよな?これ





「海堂、飯食ってねーよな」

「もう、そんな時間か?」

「お昼なんか、とっくに過ぎてんぞー」


海堂は、ふと俯いて俺をちらりとみた。



「…悪い、お前のこと考えてなかった」

「む、おなかへった!海堂、動物も大抵全部みたし!
 取り合えず、どっかで食べよーか」

今度は俺が海堂の腕を掴む











「あーくったー!」

「てめぇ、喰いすぎだ。」

「そこも好きだろ?」

「…し…死ねっ…」


そういった海堂は「は」っとしたように俺をみた。


なにしたんだろう、と思って
黙ってみていると、



「来週も、行くんだよな。」

真剣な表情で俺を問い詰めた。


「白熊、まだ見てない。」


「見たい、?」


一緒に?



「見に行きたいから、いってんじゃねーか」


「俺とじゃなきゃ嫌だって、言うなら。
 しゃーねぇ。つれてってやる」


「な、テメーなんかいなくてもいいんだよ!」



「ひでー、」



わざと、顔を膨らませて怒ってみると、
海堂は、ふっと笑って俺を叩いた。


「まだ時間はある、どっかつれてけ」


「わぁってるよ、漫画喫茶の個室で変なことでもしよーか?」


「ざけんな」



海堂は、少し頬に朱をうかべると、店の窓から外をみた



「絶対、白熊みるんだからな」


「わかってんよ。かわいいなあーお前」





ソレが、100%口実だったらいいのに
とか、ちょっと思ってみたけど。


こんな顔みれるだけ もーけもんだ。



2009 10 18


桃海、

俺はいつエロいのをかけるんだろう。。

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