桃海小説(短)2

□僕等の逃走劇。
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「逃げようか!」


「は!?」




逃げるなんてとんでもない。






「遠くに逃げたら知ってる奴なんて誰もいねーよ!」



「だからっ」






お前には置いていけないだろう。

友達も、家族も、その住んでいる場所も。







だって俺もなんだから。








「海堂も さびしいと思うか?」


「テニスも出来なくなるのは嫌だ」


「先輩にも越前たちにも会えなくなるし?」








俺は孤独から、いつの間にか出てしまっていたのだろうか。




孤独を好んで、テニスをしていた。

いつも一人でいられた。




いつの間にか、乾先輩がいて、俺を助けてくれた。

部長が俺の憧れになって。

越前に負けて、いろんな試合をして、
俺は、



、いつの間にか、桃城を好きになった。









「俺は、多分ナ。お前とだったら、そーいうの
 大丈夫な気がするんだよ」





握られた手が、痛くて。


泣きそうになった。





「わ、海堂?俺な んかした?」


「うるせ。なんもねーよ」





そっちがそーだったら。

俺はきっと、












お前となら、




全部なくしてもいいかもしれない。


















そんな人間を俺は好きになった、













2009 7 2

桃海ー!!


やっぱり好きだ

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