連載桃海

□サキバシレ
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その気持ちが思春期にアル一時的な思いだとしたらどうしますか?





幼稚園の頃
美人な女の先生がいて
その先生に結婚してって言ったのだ
先生はにっこり笑って 
幼い幼稚のオレに「先生嬉しいな」と答えた

小学校の頃
2年生だっただろうか
バレンタインディにチョコをもらったその女の子を好きになった
けどそれは3日で変わった気がする

当たり前に女子を好きになって






中学2年生で
一つ気づいたことあった

最近はテニスが頭にいっぱいで
『恋』の一文字も見えなかった
いや…たまに
橘妹なんかが 気になったりもした
でもそれは 小学校の頃のように
ぼろり………と3日もしない
一時間で忘れる気持ちだった

まぁからかわれたら照れる物なんだけど



そんで ふとした時に思ってるのがライバルの存在だった
そりゃ ライバルだもの
気になる相手だろうが
でもその ふとした時っていうのが何時だかが問題だった


中学健康男子
そりゃあもう…そうなのですよ
たまったものを処理するのは当たり前…
しかし
その時なのだ…



ふいに…あのライバルの顔を思い出してしまうのだ

悪いときは あのライバルのあられもない姿を…


そう

あの 海堂薫 というライバルの存在を



ヤバイ と思った



最近じゃ ふと思うんじゃなくて

最初から最後まで…
つまり…





海堂をおかずに…



オレは男を好きになる男じゃない
でも
こればっかりは駄目だった

なんどもなんども

友達から 青少年はまだ買っちゃ めっ!な本を貸してもらって試したっていつの間にか


海堂を頭の中で…


開き直って処理したところで

海堂に罪悪感を感じて いたたまれなくなった












今日の部活が終わった


「桃先輩最近調子わるいっすか?」

「んあー?んなこたねーよ」

チャリのケツの方に越前を乗せた帰りみち

「でもなんかおかしいですよ
 ほら 海堂先輩と喧嘩してない」

海堂の単語にいっしゅんギクっとして

でも冷静に返す

「んな日もあるって〜ほら ついた」


越前の家の前だと気づいて きっと自転車をとめてしらせると

越前は納得行かない顔して降りた

「どもっす…」

「じゃーなー!」

「うぃっす…」


越前を見送って
ペダルを踏み込もうとすると
明日の数学のプリントを部室に忘れたことを気づいた

「やっべ……アレは忘れたらまじぃなぁ…」


自転車の方向をぐいっと変えて 
部室の方向に走り出した






部室に付いた頃
だいぶ日がしずんでいた

鍵はしまってないことにホッとして
部室に入ったときだった


「んあ?バンダナ落ちてる…」


これは…
海堂んだ…


手にとって見て 今日の部活でしていたバンダナだと分かった

その時

背中をゾクッという感覚が走って
顔に熱が集まってくる
海堂が今日身につけていたもの
そう思っただけで…

オレは頭をがーっと掻いた

「やべーだろぉ…これ…やべーなぁやべぇよ…」



俺どうなっちまってんだ…
俺は……違う…


コレだけは違うんだ 
俺が男を好きになるなんて事は絶対ないんだ


で 男に欲情なんてもっとありえねぇ


でも

海堂にしかこんな気持ち持ったことがない


俺はその場にしゃがみこんだ
なんだか酷く苦しくなった

自分が自分で分からなくなって



泣きたくなった


ぐしゃりと握りつぶしたバンダナをみて

これでナニがしたいんだか…








これは好きという感情なのですヵ?





2008年2月26日あらため
2008年8月2日

書き直しました
題名も 『もしかしたら一時的なモノだとしたら?』
から『サキバシレ』


つづきます

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