桃海小説(短)3

□舐めれる
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 海堂が靴下をはかない理由を教えてくれることはない。
ただ、靴下が嫌い、そんな感じのものだというだけだ。

多分、それは事実なのかもしれないけど、こっちとしては何だか納得いかないのだ。
 
 だいたい、裸足ってむれんじゃねーか?
足むれる海堂って想像できないけど…



俺はいつでもどこでも、舐めたいわけだわ。

足、




いやいや、別に、
舐めたことないよ?
ほんっとうに偶にしか舐めてないよ?
だって日常で舐めたら、たぶん殺される。


 それに海堂は最近すごく警戒心が強い。
日頃の鍛錬のたまもの(俺からのアプローチによるもの)だ。
例えば、少しでも部室で二人きりになろうものなら五メートルの距離を常に保ち、
俺の右腕がピクリとでも動こうものなら、海堂の右腕が五メートルの距離を一瞬に縮めて、俺の顔面、若しくは腹への容赦ない強打が下される。



これでも恋人だ。






恋人でも、ライバルでもあるから、
そんなときは、もちろんやり返すし、押し倒して脅かしたりもする。
脅かしたら脅かした分だけ、海堂は本気になって


それが、俺にとって楽しかったり




掴んだ手首は、いつもサラサラしてすべすべ。



そして家なんかで二人きりのとき、その手首に唇をよせると、海堂は少し顔をしかめて見せる
それを無視して、そこにぬるりと舌を這わせると

ゾクゾクと海堂が震えるのが分かる。


その時の海堂の顔がすごく好きで、
手からだんだんと体へと舌を這わせていく。








 でも、海堂は足を舐められるのは好きじゃないらしい。
気持ちいより、くすぐったいからかもしれねぇ。


「犬か!てめーは!」
 
 っていって、殴ってくる。










 でも、俺は海堂の足を舐めるのが好きなので…、
……なんだかこの言い方だと、俺はひでぇ変態のように聞こえるけど


海堂の反応と合わさって丸ごと好きなんだ。



唇で脹脛に触れれば
くすぐったそうに我慢する顔が可愛いやら怖いやらで、
思わず噴出して、それから海堂が
「なんで笑う!」とかいいながら顔を真っ赤にして抵抗するのが、さらに面白くって「くくっ」と声を上げる。




あ、そう、
俺が海堂の足舐めよーとするときって
絶対海堂「シャワー浴びてくるーーー」っつって
絶対一回は逃げるんだよ。


さすがに足だから?

匂いとか気にしてたりすんのか。
俺は、海堂の汗臭い匂いとか好きなんだけど、


















 今日もまた、そんな感じで海堂の部屋にいた。

ほかほかした姿で戻ってきた海堂とかみると、舐めるだけじゃなくて
…、あー最後までやっていいってこと?て思っちまうんだけど
そこらへんは、その時の雰囲気に任せてる。

 ソファに座って待っている俺と目が合うと
海堂はばつの悪そうな顔をして
どっかりと俺の隣に座る。

半袖にハーフパンツ、先ほどシャワーに向かったときと同じ格好だ。
なんなら、タオル巻いただけの格好で戻ってきたらいいのに、

 なんて、そんなことコイツに言ったら
やっぱり殴られるだけじゃ済まされないんだろうけど…。
俺が行動を起こさないと、海堂は何事もなかったかのようにテレビを見始めてしまうため

さっそく俺は、海堂のハーフパンツに指を滑らせた。



 びくっと肩を震わせた海堂は、反射的に俺の手を払って、困ったような顔をして俺の顔を覗く。
その顔がやっぱり好きだと思って、払われた手を海堂の頬に合わせる。

 あ、今日は最後までしても良さそう…。


もう片方の手も合わせて、海堂の顔を包み触れるだけのキスをした。

こーゆう事を、自然にするなんて
いつまでたっても慣れないから、なかなか出来るもんじゃない。
なんせ、照れるんだ。
俺も、海堂も、


唇の触れる瞬間が酷く強張って、くっついた瞬間に、「あー今こいつとキスしてる」って思って
好きな気持ちがいつもあふれて、



 唇を離して、また恥ずかしくなる。


ここからが問題だ。
足を舐めるのを目的にしていた今日だけど、
最後までできる雰囲気にある今

足に直行するべきか、それとも流れをエッチの方向へ向けて、キスをしながら、裾をめくるのかどうか…。



うーーん、と悩んだが


 明日は、どうにも部活だ。
海堂が大丈夫といったところで、無理はさせられない。
自ずと今日の方向性も決まった。


足、足。。





 頬に添えていた手を下におろしていき
膝を撫でる様に触れてみる、海堂はくすぐったそうにして
触れている俺の手を掴んだ。




「…痒い触り方すんじゃねえ…」


「か、痒いってよぉ、もちょっといい方ねえ?」


「…、痒いもんは痒い…」



 文句が多いのは今に始まったことではないので、俺はそれを聞き流して
ソファから体をおろし、海堂の前に膝をついた。


 そして、太ももあたりに軽くキスをすると
上から息の詰まる音がして、思わず口角をあげた。



「か、痒いって…」

「じゃー、どーやったら気持ちいいんだよ?」

「無理だろっ…気持ちい…なんて」


 まぁ、俺はくすぐったがるお前も見たいからいいんだけど…。
ちゅっと、音を立てて内またを吸う。

「やっ…」


 ぎゅっと、頭を掴まれて
海堂はくすぐったさに悶える様に体を倒すように俯く。
目線を上げれば海堂の顔がすぐそばだ。


「…なんで、足なんか、貴様、やっぱり頭、おかしい」


 俺は目線を上げたまま、足から少しだけ唇を離す。


「それだから、やりてーんじゃん?」


 今にも潤みそうな海堂の瞳を覗き、ちゅっとキスをする。


複雑そうな顔をした海堂を置いて、
俺は唇で足をなぞり下に下がっていった。
脛あたりで体制が苦しくなったので、海堂の足を持ち上げて、もう少しまた下へ下がり

かかとに、唇をつけたまま
ぬるりと舌を這わせてみた。




「…うわっ」




その瞬間すぐ、海堂は俺から足と取った。




「や、やっぱり無理だっ!」


「なーんだよ、、ちょっとしか舐めてねーのに…」


「…ありえねぇー…ー犬に足を舐められるのと訳が違う……!」


「…!、俺は犬以下!?」


「犬は可愛いが、テメーは始末におけねえ!!!!」



そのまま海堂はぐりぐりと踵で俺の頭を攻撃してくるので

足首を掴んで止めようとする



「い、いてえーなぁ!いてーよ!やめろっ」


「そんなに舐めたきゃ、犬耳でもつけろってんだ!!!」


「それはそれで変態プレーじゃねえの!?」






 獣姦…て


あ、それはそれで、いい。





掴んだ足首を思いっきり持ち上げると、海堂はバランスをくずして
ソファーの上に上体を倒すことになる。






「っ”?」


「ま。そんな変態プレーはまた今度…、ってことで。」


「や、てめ、…」



「今日の所は、桃ちゃんに舐められるスタンダードプレーで!」


「す…」










スタンダードじゃねえ!!!!!







彼の悲鳴にもにた叫びは部屋中にこだました。












2011 9 23




うん。
ごめん。

愛はある!

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